寝室が1階ではないからと、窓を開けて網戸で寝てしまうことはありませんか?たとえ2階や3階、それ以上であっても、空き巣などが窓から侵入する可能性があるのでとても危険です!今回は、網戸にして寝ることのリスクや網戸の防犯対策をご紹介します。
網戸単体での防犯対策に完璧は求められませんが、まずは防犯上のリスクを再確認していただきたいと思います。
網戸にして寝ることの危険性
空き巣などの侵入手段の多くは窓からによるもので、全体の半数以上を占めています。これは、窓を閉めていてもガラスを破壊して侵入してくる割合も含まれています。網戸で寝ることがいかに危険か、データを元に見ていきましょう。
侵入窃盗の侵入手段は窓から
警察庁の調査によると、一戸建て住宅における空き巣被害31,532件中83.1%が無締りとガラス破りによるものというデータがあります。3階建て以下の共同住宅の場合は9,130件中78.2%、そして驚くことに4階建て以上の共同住宅でも3,542件中63%と高い割合となっています。
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
(警察庁平成28年:手口で見る侵入犯罪の脅威より参考)
侵入窃盗の侵入口も窓から
同じく警察庁の調査によると、空き巣などが侵入口として使う場所は、一戸建て住宅の場合、全体の56.5%が窓です。3階建て以下の共同住宅では53.5%、窓から侵入されにくいイメージがある4階建て以上の共同住宅も、35.6%といずれも高い割合で発生していることが分かります。
※こちらも同上のデータより参考
網戸にして寝ることはリスクが高い
以上のことから、鍵を施錠している窓ガラスであっても空き巣は破壊して侵入してきます。網戸にしている場合、空き巣などに侵入を許してしまうことになるので、ますます防犯上のリスクが高くなることが分かります。
網戸の役割とは?
通常、窓には網戸がついているものですが、ここであらためて網戸の役割を確認してみましょう。
虫の侵入・花粉を防ぐ
網戸の最も大きな役割は、ハエや蚊などの虫の侵入を防ぎつつ、外気を室内に取り入れることです。特に夏は虫が大量に発生するため、窓ガラスを開ける必要がある場合に大いに役立ちます。また最近では、花粉を防止する効果を持った花粉症対策としての網戸も出回っています。
防犯性能の役割はない
先述の通り、網戸は虫や花粉など異物の侵入の防止と、換気の役割を果たします。残念ながら、防犯性能の視点から見ると役には立ちません。
網戸の防犯対策
網戸によって空き巣などの侵入を防ぐことは困難ですが、対策を施すことである程度の効果が期待できます。では、その防犯対策を見ていきましょう。
網戸を鍵のついている側に設置
空き巣が窓から侵入を試みる場合、クレセント錠を壊すケースがあるので、そこに網戸を設置することで時間を稼ぐことは可能です。
クレセント錠補助錠を付ける
こちらも時間稼ぎになりますが、クレセント錠を強力なものに変えてしまう方法です。ドライバーで簡単に取り付けができるのでお手軽な対策です。
窓と網戸を同時にロック
窓と網戸の2箇所に、ロックできるクレセント錠を用いる対策です。空き巣が窓ガラスを破壊する際に2箇所の鍵を壊す必要があるため、時間がかかるうえに大きな音が出ます。空き巣は、時間がかかること、大きな音がすることを嫌がるため高い効果を発揮します。
ステンレス製の網戸を設置する
網戸自体の防犯対策では最も有効な方法として、ステンレス製の網戸の設置があります。高価なステンレス製の網戸はナイフやハンマーを用いても破ることが困難なので、どうしても網戸だけで対策をしたいと考えている方は、1つの手段として検討してみて下さい。
網戸は開けずにすむ状態がベスト
今回のテーマから少しずれますが、防犯性を高めたいのであれば網戸を開けないことがベストです。最後に、窓からの侵入を防ぐ効果的な対策をご紹介しますので参考にしてみて下さい。
防犯ガラスを設置する
防犯ガラスとは、2枚のガラスの間に強靭で厚みのある中間膜を挟んで加熱し圧着したものです。万が一割れても耐貫通性に優れているので、空き巣が侵入する際によく使うこじ破りやうち破りにも高い抵抗力を発揮するのが大きな特徴です。またガラス破片の飛散や脱落を防止する効果もあるため、安全面においても優れています。
シャッターや雨戸を設置する
窓ガラスの外側に、シャッターや雨戸を設置する方法もあります。強い風雨から窓ガラスを守る効果があるうえ、空き巣に室内の様子を知らせないメリットもあります。
まとめ
網戸だけで防犯対策をするのは困難ですし、窓を開けたまま網戸だけで寝るのはとても危険だということがお分かりいただけたかと思います。本来、窓の防犯性を高めるには窓ガラスの交換が最も効果的。
一度、業者さんに相談してみてはいかがでしょうか。